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74. 「地域連携」 小林教授に聞く!㊤・いわき明星大

いわき市のいわき明星大学看護学部教授の小林紀明氏 (52)は、「地域連携」をテーマに研究しています。同学部が新設された今年4月に着任したばかりの小林氏は、いわき市をフィールドに、介護支援専門員(ケアマネジャー)の能力と「多職種連携(※1)」との関係性を探ろうとまもなく研究に取り掛かります。その研究はケアマネジャーの教育プログラム作成にも結びつくとみられ、将来の地域ケア力向上に期待されます。小林氏の紹介と、「地域連携」を分かりやすく説明したインタビューの記事を、計3回に分けて掲載します。初回は、小林氏の経歴やこれまでの研究などを紹介します。

(※1.多職種連携とは、医師や歯科医、薬剤師、看護師、介護士、栄養士などの様々な専門職が、共通の目標に向けて協働すること。国が各自治体に、住まい・医療・介護・生活支援などを地域が連携して取り組むよう推進している中、一人の患者を多くの専門職で連携してケアするためにも多職種連携が重要とされています)

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↑いわき明星大看護学部の小林紀明教授

● 看護の現場を経て研究者に
小林氏は1964(昭和39)年、長野市生まれ。高校卒業後に上京して専門学校で看護を学び、看護師として12年間臨床を経験しました。その後、2000(平成12)年の介護保険制度のスタートを機に、「看護を提供する場が、病院から在宅へシフトする時代がくる」と医療や福祉を取り巻く社会変化の流れを確信した小林氏は、在宅ケアを社会学的に研究したいと考え大学院進学を決意。東洋大学大学院社会学研究科福祉社会システム専攻修士課程に進み、ケアマネジャー個人の能力(有する資格の違いなど)で療養者へのケアプランに格差があることを研究的に明らかにしました。その後、専門学校の講師を6年務め、2006(平成18)年に目白大看護学部看護学科の講師、翌年同学科の准教授になり「地域連携」「多職種連携」を中心に研究してきました。

● 求められる教育での多職種連携
目白大准教授時代には、地域連携がうまく機能している地域として、厚労省が事例として紹介した埼玉県和光市をフィールドに、在宅療養するがん患者に対してどのように連携してケアしているのかを研究。病院、診療所、訪問看護ステーションを対象にアンケート調査を実施し、そのつながりの強さを研究結果として公表しました。小林氏は「教育の中で医療、介護、福祉などを学ぶ学生同士が、互いのバックグラウンドを知り合い交流することが大切」と、現場に出る前の段階で多職種連携に取り組む大切さを訴えます。

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↑医師、歯科医、薬剤師、看護師、介護士、ケアマネジャーらが事例発表を通してつながりをつくる「平在宅療養多職種連携の会」=2017年5月19日、いわき市の医和生会山内クリニック会議室

● ケアマネジャーの能力格差 原因探る
いわき市で研究しようと決意した理由について、小林氏は「研究のフィールドを広げたかった。さらに福島県は医師、看護師が不足している医療過疎地で、地域に根ざした看護師を育てたい」と話します。現在計画している研究は、「ケアマネジメント能力における多職種連携に関連する能力」について探り始めています。今後の研究成果は、ケアマネジャーの能力格差を埋めるための鍵となり、ケアマネジャーの教育プログラムの作成にも貢献する可能性も。ケアマネジャー教育が改善されれば、住民はより均一で効果的なケアサービスを受けられるようになるかもしれません。

● 「地域の人とつながりをつくりたい」
いわき市に単身赴任で訪れた小林氏は「来たばかりで、まだいわきを勉強中」と語ります。趣味は、「ないですね…」としばらく考えた後に「仕事」と笑います。学生時代はテニスに打ち込み「いわきに来てやろうと思いつつも、実行に移せていないです」とも。いわきは初めてという小林氏は、港で海の幸を味わうなど満喫しています。平地区で毎月開かれている「平在宅療養多職種連携の会(※2)」に先月5月に初めて参加し、多くの医療、介護福祉関係者と交流し「エネルギーを感じた」といいます。「地域の人とのつながりをつくって頑張りたい」。将来の地域ケア発展にさらに貢献するために、小林氏は来年度末に研究論文の完成を目指しています。

※2 (「平在宅療養多職種連携の会」とは、いわき市平地区の医療・福祉関係者らがつながりをつくり、情報交換する集まり。毎月一回勉強会や事例を紹介し合い、交流しています。事務局は平地域包括支援センター。

(あす14日に続く)

【「地域連携」 小林教授に聞く!】
㊥ 2017年6月14日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-207.html

㊦ 2017年6月15日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-210.html

【小林教授が「地域連携」について講話するいわき明星大の地域公開講座】

いわき明星大 市民講座チラシ (452x640)

<Bコース>
講師:小林紀明教授
タイトル:「住み慣れた地域での在宅ケア~2025年問題と2050年問題って何?地域包括ケアシステムって何?~」
日時:2017年6月17日(土)午後1~3時
場所:いわき明星大学2号館AV大講義室(福島県いわき市中央台飯野5-5-1)
受講料:無料

<Cコース>
講師:レンデンマン美智子教授
タイトル:「子どもと家族の健康増進~自閉症の早期診断・治療・
支援~」
日時:2017年6月24日(土)午後1~3時
場所:いわき明星大学2号館AV大講義室(福島県いわき市中央台飯野5-5-1)
受講料:無料

※Aコースは10日に終了しました。

<申し込みについて>
複数コース受講可。
申し込み方法:ハガキ、FAX、メール
申し込み先:以下
(ハガキ) 〒970-8551 福島県いわき市中央台飯野5-5-1 いわき明星大学地域公開講座係
(FAX) 0246-29-5105
(メール) chiiki@iwakimu.ac.jp
問い合わせ:いわき明星大地域連携センター0246-29-7839


【「地域連携」の関連記事】
小林教授が「地域包括ケアシステム」を推進する上で大切だと訴える「多職種連携」に関する集まりは、いわき市内でも行われています。

<平在宅療養多職種連携の会>
「3月・組織の説明も」 2017年3月17日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-141.html

「4月・ケアマネ事例発表」 2017年4月21日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-167.html

「5月・福島県初の外出ケアの事例も」 2017年5月19日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-188.html

「亡くなった患者のケアを振り返る『デスカンファレンス』」 2017年5月16日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-185.html

<医療、福祉関係者がケアの悩みを相談し合う「ケアカフェ」>
「いわき市で初開催」 2017年6月12日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-205.html

<平地区の介護支援専門員交流会>
「多職種と連携しようという目的で、医師を招いた講話(ケアマネが横のつながりをつくろうとする社会的な動きが感じられます)」 2017年5月11日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-181.html

<地域講話>
「山内クリニック院長が地区住民に講話」 2017年4月19日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-165.html

<地域連携>
「いわき市地域包括ケア推進課の『つどいの場』創出事業(住民が集まって交流できるサロンをつくろうという取り組み)」 2017年4月18日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-164.html

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