「地域連携」 小林教授に聞く!㊥・いわき明星大学

「地域連携」を研究しているいわき市のいわき明星大看護学部の小林紀明教授(52)。医療福祉になじみのない方は、「地域包括ケアシステム」という言葉を聞いても分からないかもしれません。それは一体何で、なぜ必要なのか―。超高齢社会を乗り切るために必要とされるそのシステムについて、小林教授におうかがいしました。2回目の今回は、一問一答で紹介します。

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―地域包括ケアシステムとは?
現在の医療機関は、増加した医療費を抑制する国の政策によって、病院は患者の入院日数を減らし、短い期間で患者を退院させる状況になっています。そのため、生活と医療の場が、病院から自宅や施設のある住み慣れた地域にどんどんシフトしている。つまり、お年寄りは病院で時間をかけて入院生活を送ることがほとんどできなくなっています。だから、地域でうまく生活できるようにサポートしていかないと超高齢社会に対応できません。その生活を支えるための医療や介護、福祉の連携したケアが地域包括ケアシステムです。医療、看護、介護、福祉、社会サービスが一体となって一人の生活者を支えます。したがって、横のつながりが大切で、「多職種連携(※1)」は地域包括ケアシステムの重要なキーワードです。

(※1.多職種連携とは、医師や歯科医、薬剤師、看護師、介護士、栄養士など様々な専門職が、共通の目標に向けて協働すること。国が各自治体に、住まい・医療・介護・生活支援などを地域が連携して取り組むよう推進している中、一人の患者を多くの専門職で連携してケアするためにも多職種連携が重要とされています)

―地域包括ケアシステムが必要とされる背景は?
色々な背景がありますが、1つには「2025年問題」があります。団塊の世代が75歳以上を迎える年が2025年で、75歳以上が一気に増える年です。これまでのデータでみると、75歳を超えると医療費、社会保障費が増えるとされています。現在すでに医療費の財源確保に苦しんでいる中で2025年が迫り、何もしない訳にはいかないと打ち出されたのがこの地域包括ケアシステムです。

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↑医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャー、介護ヘルパーらが連携し、亡くなった患者のケアを振り返った「デスカンファレンス」=2017年5月15日、いわき市の竹林貞吉記念クリニック

―国はどうこのシステムを構築しようとしていますか?
この推進は国主導でやってもうまくいかず、運営は各自治体に任されています。今はそれぞれの地域の特色に合った地域包括ケアシステムを各自治体でつくっていこうという流れになっています。したがって、地域が率先してやらねばならないのがこのシステムの大きな特徴です。いわき市でも地域包括ケア推進会議が開かれていて、ホームページでもダウンロードできます(※2)

(※2.ホームページのリンク:http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000097/index.html)

―このシステムを推進するための課題は?
これはいろいろあり一概には言えないのですが、一つは、生活の場所やそれを決断するタイミングが、対象者(高齢者)の意思(尊厳)の尊重が置き去りにされ、その家族の意思が優先されているのが現状です。これは先行研究の調査結果でも出ています。例えば、退院前に帰宅するか施設に行くかを決める段階で、本人よりも家族や施設の都合が優先されています。施設の数などの問題はありますが、本人の決定、本人の意思(尊厳)を尊重して生活の場を決められるようにすることは、今後必要になってくるのではないでしょうか。

(あす15日に続く)

【いわき市地域包括ケア推進会議の資料・議事録】
市のホームページ:http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000097/index.html

【「地域連携」 小林教授に聞く!】
㊤ 2017年6月13日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-206.html

㊦ 2017年6月15日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-210.html

【小林教授が「地域連携」について講話するいわき明星大の地域公開講座】

いわき明星大 市民講座チラシ (452x640)

<Bコース>
講師:小林紀明教授
タイトル:「住み慣れた地域での在宅ケア~2025年問題と2050年問題って何?地域包括ケアシステムって何?~」
日時:2017年6月17日(土)午後1~3時
場所:いわき明星大学2号館AV大講義室(福島県いわき市中央台飯野5-5-1)
受講料:無料

<Cコース>
講師:レンデンマン美智子教授
タイトル:「子どもと家族の健康増進~自閉症の早期診断・治療・支援~」
日時:2017年6月24日(土)午後1~3時
場所:いわき明星大学2号館AV大講義室(福島県いわき市中央台飯野5-5-1)
受講料:無料

※Aコースは10日に終了しました。

<申し込みについて>
複数コース受講可。
申し込み方法:ハガキ、FAX、メール
申し込み先:以下
(ハガキ) 〒970-8551 福島県いわき市中央台飯野5-5-1 いわき明星大学地域公開講座係
(FAX) 0246-29-5105
(メール) chiiki@iwakimu.ac.jp
問い合わせ:同大地域連携センター0246-29-7839


【「地域連携」の関連記事】
小林教授が「地域包括ケアシステム」を推進する上で大切だと訴える「多職種連携」に関する集まりは、いわき市内でも行われています。

<平在宅療養多職種連携の会>
「3月・記事中に「連携の会」の説明も」 2017年3月17日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-141.html

「4月・ケアマネ事例発表」 2017年4月21日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-167.html

「5月・福島県初の外出ケアの事例も」 2017年5月19日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-188.html

「亡くなった患者のケアや生き方を振り返る『デスカンファレンス』」 2017年5月16日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-185.html

<医療、福祉関係者がケアの悩みを相談し合う「ケアカフェ」>
「いわき市で初開催」 2017年6月12日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-205.html

<平地区の介護支援専門員交流会>
「多職種と連携しようという目的で、医師を招いた講話(ケアマネが横のつながりをつくろうとする社会的な動きが感じられます)」 2017年5月11日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-181.html

<地域講話>
「山内クリニック院長が地区住民に講話」 2017年4月19日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-165.html

<地域連携>
「いわき市地域包括ケア推進課の『つどいの場』創出事業(住民が集まって交流できるサロンをつくろうという取り組み)」 2017年4月18日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-164.html

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