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253. 県内初の重心児デイサービス「どりーむず」 ついに20日誕生・ママ奮闘1年4カ月の軌跡

福島県初となる多機能型重症心身障がい児(重心児)デイサービス「どりーむず」があす20日、いわき市好間地区で誕生します。「障がい児が安心して過ごせる場所をつくる」。そう決意した重心児の母親2人は1年4カ月前、開所に向け立ち上がりました。法人の設立方法や運営の仕方も分かりませんでしたが、市内外の施設から助言を受けて資金調達やスタッフ集め、書類準備に奮闘。四苦八苦の末についに開所を迎えます。18日に開かれたオープニング内覧会では、代表者の設立への熱い思いを参加者同士で共有し、新たな門出を祝福しました。

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↑オープニング内覧会で参加者全員で記念撮影。新たな門出を祝福=2018年2月18日

● 障がい児を育てる不安の日々
設立準備を進めたのはNPO法人「ままはーと」理事長の笠間真紀さん(41)と理事の加藤聡子さん(35)。笠間さんは理恩君(7)を出産した時、主治医から「(理恩君に)重度の障がいが残り、寝たきりになる」と宣告され茫然自失に。障がいの知識もなく、どう育てるのか、将来この子一人で生きていけるのか不安の日々を過ごしました。そんな中、病院や療育施設で出会った同じ境遇の母親数人と知り合い、重心児の家族交流会「スマイルリボン」を立ち上げます。障がいの理解を深めるうち、重心児を育てる環境を改善したいと思うようになります。呼吸器を外せない子には見守りが必要で、息抜きできる時間が週3時間ほどという母親もいる一方、いわき市内で重心児を預けられる施設は数カ所で、しかも大人の障がい者施設が一部受け入れる状態で満員。「スマイルリボン」のメンバーの加藤さんとともに、障がい児が楽しく過ごせ、親も安心して預けられる場所をつくろうと、2016年10月に開所に向けて動き出しました。

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↑オープニング内覧会であいさつする笠間さん(左から2人目)=2018年2月18日

● 設立へ ゼロからのスタート 
まずは施設を運営するためのNPO法人の設立を準備。法人を立ち上げる知識のない2人はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を駆使し、市内外の主に障がい福祉施設にアドバイスを求めて連絡を取りました。市外では東京都、愛知、茨城両県の施設にも足を運び、定款の書き方や設立の「いろは」を勉強。NPO法人設立に必要なメンバー10人をそろえるため医師や重心児の家族にも協力を呼び掛け、2017年2月に県に申請書を提出。その4ヶ月後にNPO法人「ままはーと」として認められました。そこから「どりーむず」の設立を準備。資金調達のため重心児デイサービスがいかに必要かを銀行側に訴え回り、安くて学校に近い物件探しにも奔走。看護師や保育士のスタッフを集めるためハローワークにも協力を訴えました。

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↑あいさつする笠間さん(右)と加藤さん=2018年2月18日

● 諦めず準備 思いが結実
それと並行して県に提出する施設申請書の準備も始まり、A4用紙で厚さ数センチ分におよぶ書類と“格闘”。11~12月には物件のリフォームを行い、友人の協力も得て壁の張り替えや掃除も。募集したスタッフは看護師、保育士、理学療法士、言語聴覚士合わせて10人が12月までに集まりました。重心児を安全に送迎する車を購入しようとクラウドファンディングにも挑戦し成功。泣きながら作業に追われた日もあったといいますが、加藤さんや新スタッフと励まし合って乗り越えた笠間さんは「決意してから諦めようと思ったことはなかった」。当初のオープン目標より4カ月ほど遅れましたが、12月末に県に申請書を提出、このほどついに許可がおりました。

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福島県初の重心児デイサービス「どりーむず」=2018年2月18日

● 開所の喜び 参加者みんなで分かち合う
内覧会には、利用する親子や近所住民ら約30人が参加。天井が青空にデザインされた訓練室で、笠間さんが「障がい児も家族も生き生きと暮らせるようにしたい」という設立への熱い思いに触れてあいさつ。理恩君が将来一人で生きていけるか不安だった過去を振り返り「かつては(理恩君の)1日後に死にたいと思っていた。でも今は『安心して待っているよ』と思える」。感極まり言葉に詰まりながらも、多くの方に出会えるきっかけとなった理恩君と支えてくれる周囲への感謝を述べた後、隣に立つ加藤さんと抱き合いオープンの喜びを分かち合いました。全員で記念撮影した後、参加者は振る舞われた赤飯と豚汁を味わいながらスタッフと談笑。改築を手掛けた業者スタッフも姿を見せ、ピカピカの訓練室で元気に遊ぶ子どもに目を細めていました。利用予定の大栗友子さんは、障がいを持つ千隼君(8)を通わせる施設を1年待っても見つけらなかったといい、「ここではリハビリや相談もでき、送迎もしてもらえる」と喜びました。

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↑あいさつ後に目頭を熱くし、喜びを分かち合う2人

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↑開所への大きなモチベーションとなり、多くの方と出会えるきっかけをつくった理恩君に感謝する笠間さん

● ついに開所 「ワクワク」
「やっとここまできた」と感慨深げの笠間さんは「オープンは遅れたけど、そのお陰で素敵なスタッフもそろった。ワクワクしています」と気合十分。「重心児、家族、行政、病院、福祉事業所はまだつながりが弱い」と感じる笠間さんは「子どもを守るだけではなく、関係団体をつないで障がい児を育てやすい地域をつくりたい」と目標を話していました。


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↑リフォーム前(2017年9月13日)と↓後(2018年2月6日)の「訓練室」DSC_0596 (640x418)


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↑リフォーム前(2017年9月13日)と↓後(2018年2月6日)の「相談室」DSC_0602 (427x640)


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↑リフォーム前(2017年9月13日)と↓後(2018年2月6日)の「スタッフの控室」DSC_0610 (640x427)


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↑リフォーム前(2017年9月13日)と↓後(2018年2月6日)の「会議室」DSC_0614 (640x427)

【多機能型重症心身障がい児デイサービス「どりーむず」】
住所:福島県いわき市好間町下好間鬼越79-3
対象:常時医療的ケアを必要とする0~18歳児
オープン時間:午前9時半~16時半(月曜から金曜)
休所日:土日祝日と12月29日から1月3日
内容:個別療育や集団活動。自宅と学校以外の居場所と友だちをつくる。
電話:0246-68-8266
メール:mamaheart2017@gmail.com

【関連記事】
「『どりーむず』開設へ」 2017年9月15日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-291.html

「重症心身障がい児(者)と家族会『スマイル・リボン』」 2017年7月22日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-244.html

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