306. 終活支援、住民集う朝市づくりにも力・おはなし聴き屋オリーブの佐藤さん

人生の終わりに備え、愛する人へ感謝の想いを残す終活。延命治療の意思、葬儀やお墓、財産、人生の思い出などもきちんとまとめるのは一苦労ですが、いわき市の「おはなし聴き屋オリーブ」の終活アドバイザー・佐藤勇一代表(46)は、終活に取り組みたい市民をサポートしています。セミナーなどで講師を務めるほか、一対一でのエンディングノートの作成代行も行います。東日本大震災後に「何か人の役に立ちたい」と傾聴活動を始め、長いサラリーマン生活を経て独立した佐藤代表。小名浜地区洋向台で毎月、新鮮な野菜やパンなどが並ぶ朝市を主催してお年寄りら住民のつどいの場づくりにも力を注いでいます。

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↑イベントで終活をアドバイスする佐藤代表=いわき市四倉、2018年3月28日

● 「人の役に立ちたい」 始まりは傾聴活動
佐藤代表は2011年の東日本大震災時、悲しさを抱える被災者を見て「人の役に立ちたい」という想いを強くしました。当時は宇宙航空機用バッテリー開発品の評価試験をしていましたが、「広い部屋でいつも一人ぽつんと評価試験していて『自分は何をやっているんだ』『人と関わりたい』と思っていた」と葛藤。そこで悩む人の心の声に耳を傾けたいと、子育ての悩みに応えるカナダ発の親支援プログラムの資格を取得したり、茨城県犯罪被害支援員養成講座や産業カウンセラーの養成講座を受講したりして寄り添う技術を身に付けました。2016(平成二十八)年秋に退職し、個人事業主として一人で「おはなし聴き屋オリーブ」を立ち上げて傾聴活動をスタート。その中で「どういう生き方をしてきたか知ってほしい」と訴えるお年寄りを支えたいと思い、終活アドバイザーと終活カウンセラーの資格を取得しました。

● エンディングノートは「思いやりノート」
「エンディングノートは家族への愛を残す『思いやりノート』」と佐藤代表。その思いやりノートには「人生の振り返り」「延命処置に関する身体・医療」「財産」「葬儀・墓」「大切な人へのメッセージ」「残された人生でやりたい夢」の6テーマについて記録します。人生や家族の思い出、倒れた際の医療介護の希望、葬儀の規模や参列してほしい友人ら、家族への感謝の気持ちなどを記し、残される者に負担を掛けないよう人生の棚おろしをし、お礼を伝えます。

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↑食と健康を考えるイベント「美腸ライフ」と連携して終活セミナーも=いわき市四倉、2018年3月28日

● ノート作成代行 お年寄りだけでなく30代も
ノート作成代行は、2時間~2時間半を1回として計6~7日間。オリーブの事務所か利用者の希望する場所で、佐藤代表がマンツーマンで傾聴して思い出を引き出したり、葬儀や財産の難しい部分もアドバイスしたりしてノートを仕上げていきます。その利用者は毎月3、4人ほど。お年寄りが中心ですが、中には30代も。その方は、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの妻が若くして亡くなったニュースの影響を受けたといい「人はいつ死ぬか分からない」とノートを書く決意をしたといいます。余命3年と宣告された利用者は、ノート作成が人生を振り返って未来を考えるきっかけとなり、病気を受け入れて前向きになったケースもあったといいます。佐藤代表は「完成させた利用者はスッキリした表情を見せる。『夏休みの宿題が終わった気分』と喜んだ利用者もいました」と語ります。

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↑朝市の様子(佐藤勇一代表提供)

● 毎月1回、洋向台地区で朝市
終活支援活動以外にも、佐藤代表は自宅事務所を構える洋向台地区で朝市を毎月1回開催。体の不自由そうなお年寄りがバイクで買い物に出掛ける姿を見て事故を心配したのが始めたきっかけ。「住民が集まって買い物できる場所をつくろう」と2017年4月にスタートしました。主に市内の農家やパン屋、乾物店、菓子店などに参加を呼び掛け、現在は16店舗が協力。回を重ねるごとに来場者が増え、行列ができた日もあったといい、地区のお年寄りが交流するつどいの場としての可能性も期待されます。

● 空き家問題の解決にも取り組む
佐藤代表は2017年秋からは、いわき市勿来地区の一般社団法人「空き家・空き地相談センター」の終活アドバイザーとしても活躍。家の相続がうまく行われないと、遺族は持ち家が増えて空き家の増加につながるため、終活の支援は空き家問題の解消にも一役買います。佐藤代表は「人はみんな100%死ぬ。だからこそ多くの人に死を考えてもらい、やり残した夢や家族へのメッセージを整理して、残りの人生を前向きに生きてほしい」と話していました。

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↑朝市のチラシ

【おはなし聴き屋オリーブ】
ホームページ:http://ohanashi-olive.com/

【洋向台朝市】
開催時間:午前7~9時(雨天中止)
開催日:毎月第三日曜
5月20日
6月17日
7月15日
8月19日
9月16日
10月21日
11月18日
場所:洋向台中央公園(福島県いわき市洋向台二丁目地内)
問い合わせ:
<電話>080-8216-4599(おはなし聴き屋オリーブ)
<メール>info@ohanashi-olive.com

【関連記事】
「佐藤さんも講話した食と健康の教室『美腸ライフ』」 2018年4月10日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-447.html

「終活アドバイザーとして活動するファイナンシャルプランナーの飯田さん」 2017年11月8日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-330.html

「延命処置の意志表示を記すいわき市の『わたしノート』」 2017年9月21日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-295.html

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