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368. 「障がい」「介護」施設の共生、地域住民の支援の事例発表も・市地域包括ケア推進会議

本年度初のいわき市地域包括ケア推進会議(※)がこのほど、いわき市文化センターで開かれました。地域包括ケア推進に向けた市の取り組みに対して、委員から進展を評価する声や課題が出されたほか、「地域共生社会」と「インフォーマルの支援」をテーマにした発表もありました。

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※ 市地域包括ケア推進会議とは
「団塊の世代」が75歳を迎える2025(平成三十七)年には、全国で約3人に1人が高齢者になり、認知症者が700万人に上ると予想されています。この超高齢化社会を見すえて国は、お年寄りたちが住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう「医療・介護・予防・住まい・生活支援」を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を進め、全国各自治体は「努力義務」として「地域ケア会議」を設置し取り組みが進んでいます。いわき市も2015年、「個別ケア会議」「小地域ケア会議」「中地域ケア会議」「市地域包括ケア推進会議」の主に4会議でつくる「市地域ケア会議」を設置(※1)。市内の有識者でつくる委員から意見を取り入れながら活動を展開しています。本年度の委員は24人(※2)。「地域包括ケアシステム」を構築する上で重要な「本人の選択と本人・家族の心構え」「すまいとすまい方」「介護予防・生活支援」「医療・看護」「介護・リハビリ」「保健・福祉」(※3)のテーマに沿った市の取り組みを共有。

※1. いわき市ホームページより
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※2.
地域包括ケア推進会議委員1 (640x463)
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※3. 厚生労働省ホームページより
地域包括ケアシステム (640x481)

● 家族不在で経済的な問題を抱えても入居・入所できるように
終末期の過ごし方を考える「本人の選択と家族の心構え」に関する取り組みでは、市民向けの普及活動に力を入れていると事務局から報告。7地区で展開されている介護や健康に関する「塾」やフェア(※4)を紹介し、9月に開催する「いごくフェス」では「認知症VR」の体験会や「徘徊模擬訓練」などを行うと発表されました。「住まい」の問題では、入居・入所・入院に「身元引受人」や「連帯保証人」が確保できないケースが今後もさらに増加すると予測。そこで家族が不在で経済的な問題を抱えても入居・入所・入院・葬送支援できる保証システムのたたき台を作成し、関係機関と意見交換していると報告がありました。「介護予防・生活支援」については、今年3月までの1年間で58カ所増えた「つどいの場」の現状や、順調に会議を開催している介護予防マネジメント支援会議について説明。シルバーリハビリ体操未経験のお年寄りを対象に、その体操の効果を検証する教室も開催すると報告されました。

※4
中地域ケア会議の取り組み (640x374)

● 施設共存 障がい者と高齢者が交流
共生型社会に向けた取り組み例の発表では、障がい者の地域活動支援センター「てらす」と高齢者の地域密着型通所介護事業所「さろん」を運営するNPO法人「布紗」の中崎とし江理事長が登壇。弟がダウン症で生まれた経験から、施設づくりの基準は「わたしが弟ならどんな施設に入りたいか」を物差しに考えてきたと語りました。「てらす」と「さろん」は通路を挟んで同じ敷地に建ち、両施設に簡単に行き来できるといいます。これにより「てらす」の利用者が辛い時に「さろん」に行ってお年寄り女性に話をして落ち着くケース、障がい者が65歳になって介護保険に切り替わってもどちらの施設にも行き来できて今までと変わらない環境を保てるケース、高齢の母親と知的障がいを抱える息子が2人で施設に通えるケースを紹介。両施設のスタッフは障がいと高齢者の互いの分野を間近に接することができる利点も挙げ、お年寄りと障がい者の交流による「『化学反応』を大事にしたい」とも。最後に「一つの法人で全てを完結するのではなく、いろんな方々がいろんな形で関わって面白いものをつくっていきたい」と閉めました。委員から「自閉症や発達障がい者は自由時間が苦手だと思う。スケジュールなしにどう対応しているか」との問いに、中崎理事長は抱えている障がいでその人を見ず、その人自身が何をしたいかを感じ、それを発見した時に喜びを感じると語りました。

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● セルフネグレクトの男性 インフォーマルの支援も
小名浜地域包括支援センター管理者の加藤幸恵さんが、フォーマルとインフォーマルの連携した支援を受けた一人暮らしの60代男性の事例を紹介しました。異臭を放って買い物に来る男性を不審に思ったコンビニエンスストアの店長から、包括支援センターに相談が寄せられました。家族と交流はなく、ガスは止まり、家は飼い犬のふん尿にまみれていました。生活保護を受け、1年以上前にC型肝炎と診断されているが受診を拒否し、歩行困難に。この男性を支えるため、見守りと情報提供する「コンビニエンスストア」、衣類を提供する「NPO法人」、隣の家の訪問時に見守り報告してくれる「居宅介護支援事業所」、地域貢献で浴室を提供する「特別養護老人ホーム」など公的ではない事業所とも連携しました。結果、通院のために体を洗えて服も入手でき、受診につながりました。フォーマルな団体によるインフォーマルな支援や、インフォーマルな資源を結び付けてのネットワーク構築の必要性が指摘されました。

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● 委員から様々な意見
加藤さんの事例発表について、委員からはセルフネグレクトに初期段階で気付き、うまく連携して対応できたことを評価。介護予防マネジメント支援会議について、委員から「積極的な開催頻度や多くの専門職が参加している点で県内でも進んでいる。アドバイザーの研修も奏功してアドバイスの質も向上している。成功の定義は難しいが、成果の検証も必要」と意見。高齢者生活安全部会で検討されて始まった「いわき市介護事業所協議会」については、委員から「介護事業所協議会はほかの自治体に無いのでは。発展させてほしい」という声や、呼び掛けに関わった委員からは、「参加者が何を望んでいるかをしっかり把握して参加事業所を増やしたい」と語りました。地域包括ケアの推進に向けて、げきを飛ばす委員もおり「いわきは地域包括ケアの植木鉢の葉っぱの部分(※3の図・「医療、看護、介護・リハビリ体制」)が非常に弱い。訪問介護ヘルパーは夜10時以降のサービスはゼロ。ほかの自治体からは聞いたことがないと言われる。医療は今でも状況が厳しい。本気で議論していかないといけない。施設に入所させたことで関係者は安心してはいないか。本人の意志でなければ一安心ではなく、悔しがらなければいけない」とあらためて真剣に取り組む姿勢を呼び掛けました。

【関連情報】
NPO法人「布紗」:https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/007000604

【いわき市地域包括ケア推進会議の関連記事】
2018年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-39.html
2017年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-35.html

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