FC2ブログ

412. 重度の知的障がいでも地域の中で暮らせる・地域移行支援研修会

障がい者が施設や病院内で一生過ごす社会を改善するため、退所し地域で暮らす支援を考える「いわき市地域移行支援研修会」がこのほど、いわき市総合保健福祉センターで開かれました。日本知的障害者福祉協会の井上博会長(山形市の社会福祉法人愛泉会理事長)が「みんなの笑顔と夢・実現のために…」と題し、「重度の知的障がいでも地域で暮らせる」と取り組みを講演。実際に入所施設からグループホームに移行して地域の中で暮らす市内の知的障がい者2人による体験談の発表も。参加者はグループワークを通して地域移行支援のために何ができるかを考えました。
 
DSC_7260 (640x428)

DSC_7215 (640x438)
↑「みんなの笑顔と夢・実現のために…」と題して講演した日本知的障害者福祉協会の井上会長

● 日本知的障害者福祉協 第一の課題は虐待
井上会長は日本知的障害者福祉協会の喫緊の課題を挙げ、第一に虐待問題では被害者の7割が知的障がいだと説明。さらに「入所施設すべてを否定する訳ではない」と前置きして長期入所を改善するための施設機能の見直し、利用者の夢や権利を第一に考えるソーシャルワークの視点を持つ必要性にも触れました。先進国の取り組みも紹介し、20年前に視察したアメリカではほぼ入所施設はなく、権利擁護もしっかりしていたと語り、人権を守り、個別支援計画を充実させる大切さを話していました。理事長を務める愛泉会でのこれまでの取り組みでは、住居と活動の場所を分ける「職住分離」、グループホームを体験する「自活訓練」、相談事業などを紹介しました。

● グループホーム生活で問題行動も激減
重度の知的障がいや高齢の知的障がい者などに特化したグループホームを運営しており、井上会長は「ほとんどの人が生活できて、問題行動も激減する」と話しました。入所施設は人の入れ替わりが多く安定した人間関係が形成されにくいのでは、と考えて個人的感覚として「支援度の高い人ほどグループホームの仕組みは有効」と話しました。東北福祉大の調査では、入所施設からグループホームに移行した障がい者の満足度は80%を超えた一方、自宅からグループホームに移った障がい者の大半は満足しなかったというデータも紹介。最後は「基本は我が事ととらえて、利用者を思い続けて取り組んでほしい」と想いを述べました。

DSC_7223 (640x418)
↑施設を退所してグループホームでの生活を語る体験者(右・中央)

● 施設を退所 グループホームでの生活はどう?
施設を退所しグループホームに移っての生活発表では、いわき障がい者相談支援センターの松田直生美さんが紹介役で、島村芳恵さんと志賀朝祐さんが登壇。8年前からグループホームで生活している志賀さんは、生活介護を受けながら5人と生活しています。バスでいわき学園に通い、帰宅したら同居仲間と団らんするお茶会の準備。入浴の用意などできる事は自分で行い、それらの様子が写真で紹介されました。7年前からグループホーム生活の島村さんは、入居仲間と一緒に歩いて通勤。みんなと食事し、ほかの仲間の食器も洗って手伝い、折り紙やおしゃべりで過ごす様子も写真で披露されました。「みんなでのおしゃべりが楽しい」と島村さん。松田さんから「やってみたいことは?」と問われると、2人とも「みんなと仲良くしたい」と笑顔で答えました。

DSC_7268 (640x428)

● 地域で生活させるため何ができる?
グループワークでは「それぞれの立場から地域移行支援を考える」をテーマに議論。障がい分野の相談員、グループホーム職員、行政関係者ら約70人が9グループに分かれ、「地域移行のために、これからできそうなこと、やってみたいこと」と、支援のためにあったらいい「人」「もの」「こと(仕組みなど)」を考えました。グループホームではなくアパート暮らしへの移行を考えたグループは「一人暮らしさせるには家族の理解が必要」「グループホームで一人暮らしの練習はできないか」などの意見が出ていました。別のグループでは、人材確保や地域住民に障がい者の理解を深めてもらうPRなどで課題が出て、改善のためのアイデアを考えていました(※)。

研修会は9月12日に開かれ、市障がい福祉課に事務局を置く「市地域自立支援協議会」(http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1450678813250/index.html)の地域移行支援部会が主催しました。

※ 各グループから出たアイデア
DSC_7290 (462x640)
DSC_7294 (505x640)
DSC_7295 (640x608)
DSC_7300 (640x502)
DSC_7303 (513x640)
DSC_7305 (640x492)
DSC_7308 (640x529)
DSC_7309 (640x467)
DSC_7312 (640x376)

【関連記事】
「福島整枝療護園を誕生させた大河内一郎氏伝記」 http://ymciwakikai.jp/blog-category-45.html

「障がい者が自立した生活ができる地域づくりを考えるいわき市小名浜地区の『障がい児者支援事業所ネットワーク会議』」  2018年3月6日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-420.html

「障がい者施設で提供している製品カタログ『はんどめいどいわき』」 2018年5月10日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-466.html

「障がい者就労施設が出店する『福祉の店』」 2017年10月18日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-317.html

「育児・保育関連記事」 http://ymciwakikai.jp/blog-category-24.html

【医和生会フェイスブック】
いわきの医療・福祉の現場を取材した記事を週5回発信しております。


【医和生会LINE】
山内クリニックの診療情報を中心に発信しています。
友だち追加

【医和生会インスタグラム】
ご利用者様の笑顔などの写真をお届けしております。
医和生会インスタグラム

【医和生会YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCFBnEf7A1bN4_rDoKO6i9zA

【読者アンケート】
https://goo.gl/forms/vK2DhfwxAQOzwuyC2

コメント

非公開コメント

医療法人 医和生会

当法人のブログやフェイスブック、インスタグラムのページなどに掲載されております写真を転載・使用する場合は事前にご一報くださいますようお願いいたします。使用目的や場合によりましては関係者にご迷惑が掛かる恐れもございます。無断での転載や使用を禁じますので、よろしくお願いいたします。連絡先はmasahiro.nishiyama1012@gmail.com

プロフィール

医療法人 医和生会

Author:医療法人 医和生会
当法人のブログやフェイスブック、インスタグラムのページなどに掲載されております写真を転載・使用する場合は事前にご一報くださいますようお願いいたします。使用目的や場合によりましては関係者にご迷惑が掛かる恐れもございます。無断での転載や使用を禁じますので、よろしくお願いいたします。連絡先はmasahiro.nishiyama1012@gmail.com

最新コメント